競馬共和国

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【ヴィクトリアマイル(G1)2019】最優秀2歳牝馬・ラッキーライラックは東京コースでの競馬をもう一度見たい

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今週のヴィクトリアマイル(G1)には2017年の最優秀2歳牝馬であるラッキーライラックが出走予定だ。

 ラッキーライラックの現時点での成績は9戦4勝、2着2回、3着1回。前走は阪神で行われたヴィクトリアマイル(G1)の前哨戦・阪神牝馬ステークス(G2)であり、単勝1.5倍の断然人気に支持されたが結果は8着だった。

 ただ、前走は3コーナーあたりで鞍上の石橋修騎手が立ち上がるほどの不利を受けており、不完全燃焼の競馬。それでも直線は後方から上がり33秒2の脚を使って、先頭集団との差を詰めている。

 このレースは前半3Fが35秒6と牝馬G2戦にしてはゆったりとしたペースであり、後方からのレースを余儀なくされたラッキーライラックには厳しい展開だった。あのスローの流れを最後0秒2差まで追い込んだ脚は素直に評価したい。

 今週ヴィクトリアマイルの舞台となる東京コースは2戦して1着1回、3着1回の成績を残している。1勝は2歳時に走ったアルテミスステークス(G3)であり、今週と同じマイル戦の競馬。

 距離1600メートルの競馬では6戦4勝、2着1回という成績である。過去の成績からみてもマイルでの競馬はまったく問題ないと感じるが、個人的にこの馬は脚の使いどころが難しいというイメージがある。能力は非常に高いが使える脚が短いため、直線の長い東京がベストとはいえないのではないだろうか。

 思えば三冠馬だった父オルフェーヴルも現役時代は東京で開催された皐月賞(G1)や日本ダービー(G1)などを制しているが、個人的には引退レースの有馬記念(G1)8馬身差圧勝や4歳時の宝塚記念(G1)など、直線の短い中山や阪神内回りでの競馬のほうがどこか安心して見れた記憶がある。

 ラッキーライラックも2走前の中山記念(G2)では、香港のクイーンエリザベス2世カップ(G1)を制したウインブライトとタイム差なしの大接戦(結果は2着)。

 このレースはウインブライト以外にもマイルチャンピオンシップ(G1)勝ちのステルヴィオ大阪杯(G1)を制したスワーヴリチャード、皐月賞馬のエポカドーロ、秋華賞(G1)を勝ったディアドラなどG1級のメンバーが揃っており、非常に中身の濃い2着でもあった。

 能力は中山記念(G2)で再度証明済みだから、あとは東京での競馬をもう一度見たい。レース後に「ラッキーライラック、東京でも強し」と思わせてくれるような競馬を期待。